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1st Full Album "euphoria"

完成記念スペシャルインタビュー

――FILTERは2011年に千葉県柏市にて結成されて、幾度のメンバーチェンジを経て現在の5人になったということなのですが、結成当時からのメンバーはどなたがいらっしゃいます?

 

豊方 亮太(Vo/Gt)「それは僕だけですね。僕は元々メロコアバンドをやっていたんですけど、その頃からアキラ君(木村)とは対バンもしていて。順番的にはアキラ君、タツヤ(葛西)、あベス、高野の順で入ってくれて。最初は〈好きな音楽をユルくやっていこう!それで人気がでたら良くね?〉くらいのスタンスで活動していたんですけど、アキラ君が入って〈…これ、いけるんじゃない?〉ってなって、再び熱が上がった感じですね」

 

――アキラさんが入って「FILTERを本気でやろう!」と思ったのは何故だったんですか?その温度感はアキラさんも同じだったってことですよね?

 

木村 彰(Dr/Cho)「そうですね。その頃は俺も前にやっていたバンドを辞めて、自分のやりたい音楽の方向性を一回見失ったんです。で、丁度その頃にRIDDLEのライブで久々にリョウタと会って、その2日後くらいに「FILTERのサポートをしてほしい」と言われて。その時にリョウタから「ディズニーシーみたいな音楽をやりたい」って聞いた時に「もしかしたら俺が表現したいのはこれかもしれない」って思って、その時から本気でしたね」

豊方「アキラ君にはサポートメンバーとして入ってもらったのに、この人バンドの物販とか勝手に作ってたんですよ(笑)でも、物販を作ったりツアーも名目をつけてちゃんとやろう!と言ってくれたりして、そういったことをする度にお客さんから反応があって「やればやるほど返ってくるんだな、面白いな」と思ったし、心の中では「本気でやりたい」って思っていたのに虚勢を張っていた俺の心をアキラ君が溶かしてくれたんですよね」

 

――なるほど。しかもFILTERはアートワークのデザインやグッズ制作、さらには商品発送等の裏方仕事に至るまで全て5人で行っているんですよね。ちなみにアキラさんって確かディズニー好きですよね?そういった意味で惹かれた部分もありました?

 

木村「それもありますけど、完全にタイミングですね。本当に何をやりたいか分からなくて、その頃はアイドルのバックバンドで叩いたりハードコアもやったり、本当に色んなことにチャレンジしていたんです。俺はディズニーの何が好きかって、ディズニー音楽が好きなんですよ。オーケストラのコンサートにも行ったりしてましたし。それで、オーケストラサウンドを表現しようとするバンドって周りに居なかったし、俺がバンドをやるきっかけになったX-JAPANも1stアルバムでそういうことをしていたんですよね。そういったところで、自分が好きなディズニー音楽と、原点であるXの音楽がここでひとつになったような…」

一同「笑」

木村「その上さらにバンドに誘ってくれるリョウタがいたっていう。自分の中での点と点が、FILTERで結ばれた感じがしましたね」

 

――そしてその後に、タツヤさんが加入するんですね。

 

葛西 達也(Ba/Cho)「はい。元々やっていたバンドの解散とFILTERのベースメンバーが抜けるタイミングがほぼほぼ一緒で。その時に共通の友人に教えてもらって、とりあえずスタジオに入ってみようってなったんです」

木村「こいつ、5曲やるから覚えてきてねって言ったのに、当日3曲しか覚えてこなかったんすよ!(笑)」

一同「爆笑」

豊方「俺とアキラ君は、ダメでしょこんな生半可な奴!(笑)って思ったんですけど、その後にライブもどんどん決まっていたし、最初はしょうがなくやってもらってたんです(笑)でもそこからどんどんフィットしてきて。後からエンジンかかっていくタイプだったんでしょうね。2回目のスタジオでは「あれ?最初のは一体何だったの?」ってくらいしっくりきてました」

葛西「あの時(最初のスタジオ合わせ)は、あ、終わったー、と思いましたね(笑)元々メロコア系のバンドに入っていたので最初はFILTERの音楽性に慣れるように探りながらだったんですけど、徐々に馴染んでいきました。前のバンドが地元(青森)から東京に出てきて初めてやったバンドで、自分の中でのバンドマンとしてのマインドが育つ前に辞めてしまったんです。だから俺のバンドマンとしての軸は、FILTERに入ってから確立した感じですね。サポートから本メンバーとしての加入の仕方は俺が一番ぬるっとしていましたけど(笑)」

 

――名誉挽回的な加入だったんですね(笑)あベスさんは唯一の女性メンバーということですが、キーボードは元からやられていたんですか?

 

あベス(Vo/Key)「いや、初めてだったんですよ。前のバンドではギターボーカルだったので」

豊方「前任のキーボードも女性で、その子がツアー中に抜けたいって話になった時に「あ、終わった」と思ったんです。ハードコアやパンクバンド界隈に女の子自体がそもそも少ないし、元々その子(元メンバー)もめちゃくちゃ探してやっと見つけた子だったんで。だからメンバーとは、解散するか、吹っ切って4人でハードコアバンドやるかっていう最悪なところまで話していて。その頃に、何度か対バンしていて友達だったあベスに「女の子でキーボードできる子いない?」って相談してたんです。あベスが入ってくれたらいいなぁと思いながら」

あベス「私もキーボードはやってみたかったんですよ。FILTERに入るタイミングに関しては私もみんなと一緒で、前のバンドが活動しなくなっちゃった時期で。だから本当はバンドやりたいなと思いながら、一人でキーボード弾いて歌おうかなって考えていた頃にリョウタ君に声をかけてもらったんです」

豊方「あと、あベスが入ってからFILTERの音楽性を変えたんですよ。紅一点の子のキャラクターってかなりバンドに影響すると思うんです。その上であベスが明るくて楽しい奴なので、今までのオーケストラサウンド重視のしっとりとした曲調がミスマッチというか。だからそこからダンス系や四つ打ちを取り入れてみたりして、そのテイストがバンドにどんどんフィットしていったんですよね」

 

――その変化というのは、ポジティブな転換だったんですか?

 

豊方「そうですね!むしろ、やってみたかった事だったのでタイミング的に丁度良かったんです。その頃自分たちのオーケストラサウンドに限界を感じ始めていた時で、このままオーケストラ一本でいくとディズニー音楽の廉価版になりそうだったというか。メンバーチェンジもあったし、バンドの空気も変わっていた時だったので」

 

――「オーケストラサウンドで多幸感を表現する」という根本はそのままに、「テンションやリズムで遊んでみる」という選択の余地が増えたということですね。

 

豊方「そうですね。オーケストラ=フル・オーケストラではないことに気付いてからは、5人組のバンドとしての生っぽさを出していってもいいのかなと思い始めて、パーティー感のあるオーケストラもアリだろう!という意識に変わりましたね」

木村「これまでの楽曲が、エモっぽさに頼ったサウナ系のジワジワした汗のかき方をさせるのに対して、あベス加入以降の楽曲はスポーツ系の汗のかき方になったっていうのがめちゃくちゃ良かったですね」

豊方「そうそう!俺とかは根本のルーツはパンクなので、オーケストラっぽく壮大なこともしたいけど、結局音楽で一番何がしたいか?って言ったら、やっぱ盛り上がって爆発したくね!?ってなったんです」

 

――FILTERの転機ともいえるシングル『Cold Mountain PACK』なんて、まさにそういったバンドのポジティビティが煌々と光る作品ですもんね!そして同作リリース後にギターの方が脱退となり、最後に高野さんが加入されるんですね。

 

高野 優裕(Gt/Cho)「そうですね。僕は元々バンドを2つやっていたんですけど、1つ目のバンドの時からFILTERのことは知っていて。その時は挨拶をする程度の関わりだったんですけど。で、その後にやったバンドには女の子もいて、その頃からずっとメンバーには「FILTERみたいなバンドがやりたい!」と言っていたんです。だからその頃から、僕にとってFILTERは憧れの存在でしたね」

豊方「高野のことは、ギタリストとしてカッコいいなーとずっと思っていて。だから前任ギターが抜けるってなった時には「OK、高野」って思ってましたね」

あベス「前のギタリストも、「高野が適任だと思います」って言ってたもんね(笑)」

高野「前にやってたバンドが積極的に活動できなくなったタイミングだったので、ほとんど二つ返事で入りました」

 

――なるほど。こうしてお聞きすると、皆さんが各々最高のタイミングでFILTERに集ったという感じですね。

 

葛西「いやホント、改めて振り返るとそうですよね」

豊方「そう考えると凄いですよね!タツヤだけぬるっとしてたけど(笑)」

木村「俺らの中では一回クビになってるもんな!」

一同「爆笑」

豊方「でも、この5人になって2年目になるんですけど、周りからは今のFILTERが一番いいねって言われるんです。今考えるとこれまでの過程は助走だったんだなと思いますね。」

――そんな最高のメンバーに恵まれたFILTERが、今回満を持して1stフルアルバム『euphoria』をリリースするということですが、1stミニアルバム『invitation to color』の発売から約5年…。

 

豊方「うわーマジかー。もう5年も経つのかー」

葛西「計算してなかったね(笑)」

 

――もちろんその間シングルとして2014年に『Grace Moments』、2017年に『Cold Mountain PACK』のリリースはあった訳ですが。フルアルバムを出すという構想はいつ頃からあったんですか?

 

豊方「それこそ、1stミニを出した時から「次はフルだね」って話はずっとしていて。ただ、その中で脱退があったり、メンバーが固まったと思ってもあベスの加入で音楽性の変化があったりして時間がかかっちゃったんです。だから今回のリリースは本当に「念願」なんですよね」

木村「『Grace Moments』も、次にフルアルバムを出すつもりだったからシングルにしたんだもんな」

豊方「そうそう。だから変な話、脱退がなかったら“Serenade”(『invitation to color』収録)みたいなフル・オーケストラチックなアルバムが出来たかもしれないですよね。でも、そう上手くはいかない人生だなと…」

 

――でもだからこそ、現在のFILTERの音楽性が生まれた訳ですもんね。

 

豊方「確かにそうですね、そういう充実度はあります。それにあの頃に1stフルアルバムを作っていたら、1stと2ndの音楽性が全然違うってなってしまっていたかもしれないし。【多幸感】という軸はずっとブレていないんですけど、昔と今じゃ吐き出し方が全然違うので」

 

――アルバムタイトルも「幸福」を意味する『euphoria』ですが、これは皆さんで相談して決めたんですか?

 

豊方「これは俺がこの言葉がいいんじゃない?って持っていきましたね。でも【多幸感】という言葉自体ずっと使ってきたからね」

葛西「バンドのキーワードですからね、割と即決でしたね」

 

――今作を聴いて、そういった結成当時から変わらない軸部分はしっかりと息づいている上で、楽曲のバリエーションが物凄く富んでいるという印象を受けました。

 

豊方「実は今作の最後に収録されているM-10“Pray tonight(Not to end this night)”は、シンセベースで打ち込みを入れているんですよ」

 

――おお!それはバンドにとって新しい試みなんですか?

 

豊方「完全に新しいですね。まさか俺が打ち込みを入れる音源を作るなんて思ってもいなかったんで。変な話「同期なんてクソだ!」っていう時期もあったし、表現は広がるけどなぁ……って正直悩んでいたんですよ。でも「そんなプライドくだらねぇな」と思って」

高野「結果、めちゃくちゃ良くなったよね」

木村「あとこの曲は、一回全部バラして作り直した曲なんですよね」

豊方「合わせながら「何か違うな?」ってなったんだよね(笑)」

木村「メンバーもそれはひしひしと感じていて、このままいったらボツになるよ?って(笑)」

 

――まさに起死回生ですね(笑)その時から同期を取り入れようと思っていたんですか?

 

豊方「そうですね。最後の曲は(同期を)試してみたいなーと思っていて。そもそもやりたい音楽が生楽器のバンドだけだと表現できなくなってきちゃって。それは、今回から作曲にDTM(パソコンを使用して作曲する手段)を使い始めたからだと思うんですけど。どんどん音を足せちゃうし、そのままやりたいってなったんですよね。でもだからといって全部に同期を入れちゃうと終わりがなくなっちゃうんで、個人的には1アルバムに対して1曲、もしくはコンセプトアルバムを作るっていうところに留めたいですね。根本は生音バンドで、仕掛けとして使いたいっていう。でも今回同期を使ってみて、同期を駆使しているバンドにありがちなんですけど、ライブに熱量がなくなってしまうのが不思議で。そんなになくなっちゃいます?みたいな。でもだからこそ、俺らは今後「同期を使っているのにこんな熱量でライブできるのこいつら!?」っていうライブを意識したいですね。」

 

――M-3“Last Dance”も、シングル版と異なりライブでの繋ぎのようなアレンジが加えられていますよね。

 

豊方「これはライブでのアレンジをそのまま取り入れてみました。シングルとの差別化っていうのもあるし、テンポもちょっと上げてみてるんです」

葛西「フックも欲しいし、アレンジを頭に付けようかってなったんですよね」

木村「そうそう。アルバムを通して聴いた時に、3曲目くらいにフックを入れてみたら流れができて名盤感が出るんじゃないかっていう。ライブの熱量を入れたかったっていうのもありますね」

豊方「FILTERって盛り上がっていいんだ!っていう、バンドの空気感を今作で出したかったんですよね」

 

――なるほど。

 

豊方「あと、M-8“Funtimes”では、日本語の歌詞にしているんです。英語の方が収まりがいいし、今作は全英詞でいこうかと思っていたんですけど。メンバーと【多幸感】っていう軸さえブレなければ日本語を歌おうが英語だろうが極論スペイン語だろうが変わらないよねって話をしてて、確かにそうだなと。」

――あベスさんも、日本語を歌うことには違和感はなかったんですか?

 

あベス「なかったですね。私は前のバンドでは日本語で歌っていたので、そこのところに抵抗はなかったです」

豊方「そう考えると凄いよな(笑)ギターからキーボードになって、日本語から英語になってで(笑)」

 

――あと気になったのがM-5“Brad Pitt”なんですけど、これは何でブラピなんですか?(笑)

 

一同「爆笑」

木村「これは超良い質問!(笑)」

高野「よく聞いてくれました!(笑)」

木村「アルバム10曲全部に仮タイトルを付けていたんですけど、これは唯一仮タイトルのまま入った曲なんですよ」

高野「一回タイトル決まったけど、なんか違くね?ブラピじゃね?ってなったんだよね」

豊方「この曲は、ニューヨークの地下にあるバーの隅で、ボトルのウイスキーを開けて酔いつぶれているブラッドピットのイメージで作ったんです。作ったというか、それっぽいよねってなったら離れなくなっちゃったんですよね(笑)」

 

――あー!だから歌詞もいきなりやさぐれてるんですね!(笑)これまで「皆で楽しく踊ろうよ!」的な歌詞だったのに、突然《用があるならメッセージを残しておいて/ビールに電話を突っ込んでおくけど》と歌っていて、なんでいきなりハードボイルド系になっちゃったんだ?って思ってたんですけど。

 

豊方「(笑)だからこの曲に関しては、【作詞:ブラッドピット】になるっていう」

木村「ブラピに印税が入る(笑)」

一同「爆笑」

葛西「でも、こういう感じでイメージ先行で曲を作ることが多いんですよね」

高野「仮タイトルが「ワールドカップ」だった“Symphony of Hope”がリョウタ君の中で出来上がった時も、リョウタ君からサッカーのダイジェスト動画のバックに曲を付けて「このイメージ!」って送ってきて、もうこれはピッタリだなって」

 

――確かにM-1“Symphony of Hope”の幕開け感は完全にそのイメージですね。

 

木村「あの衝撃ヤバかったもんね。これはアルバム1曲目だ~!!っていう確信があった(笑)」

豊方「そういったイメージっていうのはどの曲にもありますね、情景というか」

 

――そういった共有の仕方ってとても分かりやすくていいですね。そしてM-7“Teenage Riot”は、今作では群を抜いてパンキッシュな楽曲に仕上がっていますね。

 

豊方「思いっきりパンクに寄せていこう!的な曲を1曲作りたい、でもシンガロングは俺たちらしくやっていこうっていうコンセプトですね。まさかのキーボード抜きです(笑)元々西荻系のガチャガチャしたパンクとか好きで、そういった要素も意識して取り入れた「うちらなりのパンクをやるとしたらこれです!」っていう楽曲で、歌詞もすごい等身大ですね。」

 

――良い意味で意表を突かれるアッパーな楽曲ですよね。そして個人的にはM-9“Town Lights”の壮大な音景を目の当たりにした時に、これで今作を締めても全くおかしくないなと思えるくらいにFILTERのアイデンティティが詰まった楽曲だと思いました。これを締め括りにしなかった理由などはありますか?

豊方「そうなんですよね。この曲には1stミニアルバムの頃までのフル・オーケストラとしてのFILTERらしさが全部詰まっているんです。だから今までのFILTERだったら9曲目で完結してたかもしれない、映画の次回予告みたいな感じで「今後のFILTER」というか「今FILTERはここまでいっちゃいます!」っていうのを“Pray tonight(Not to end this night)”で提示したかったんです」

木村「新しいカードあります!みたいなね」

豊方「そうそう!最近クラブでも遊んでます!みたいなね(笑)うちらはまだまだ突き抜けていきます!っていう感じにしたかったんですよね」

――いままでもこれからも全部含めてまだまだやっていくぞ!という想いが最後まで詰まった作品なんですね!また、FILTERは千葉県柏市を拠点に活動するバンド仲間と共にDIY野外音楽フェス「CAMPASS」を2017年から開催していますが、この経験が楽曲に影響しているという感触はありますか?

 

葛西「経験したからこうしたっていうよりは、自然と考えられてるって感じですかね」

豊方「より多くの人を巻き込んでいかなきゃっていう気持ちは強くなりましたね。最前列にいる人だけじゃなくて、後ろで心地良く聴いてくれている人たちも満足させることができる曲にしなきゃなって思いますね」

木村「多分メンバーみんな、曲を作りながらCAMPASSのあの光景を思い浮かべていると思うんですよ。あのステージ、あのシチュエーションで演奏しているイメージはきっとあるはずなんですよね」

高野「あー、確かに」

葛西「あそこで鳴っていてもおかしくないっていうのは一個の基準になっていると思いますね」

 

――言わずもがなその状況が全員の中で共有されているっていうのも凄いですね。とはいえ皆さんそれぞれがライブハウスで育ってきた方々ですし、ライブハウスという閉め切られた空間で自分たちの魅力を発揮することへの考えや想定はありますか?

 

豊方「ライブハウスだからとか野外だからとかっていうのはあんまり考えたことはないですね。でもこれはたまにMCで言うんですけど、屋根取っ払うくらいの気分になれるまでアガってほしいっていうのはありますね」

木村「室内だけど野外が見えるようなライブをしたいっていう」

豊方「そうだね。たまに「ステージが広く見える」って言ってもらうことがあるんですよ。良い意味で、ライブハウスに来た感じがしない!っていうところは目指しているのかもしれないです。その環境がCAMPASSでは必然的に用意されているだけで、ライブハウスでもそれくらいの開放感を感じてもらえるのがひとつの到達点なのかもしれないですね」

高野「みんなにそれを必然的に感じとってもらえたら一番いいよね。あとは全員がメンバーとして盛り上がれる【全員参加】っていうのはバンドのコンセプトのひとつですね」

 

――全楽曲に全員で楽しめるシンガロングも織り込まれていますもんね。

 

葛西「うちらは良くも悪くも「聴かせる」タイプの音楽じゃないですからね」

豊方「どちらかというと、うちらの音楽は詞で泣かせるんじゃなくて、空気感で楽しむ音楽だと思っているんで。歌詞に関しては地元のことや身内のことが多いんですけど、歌詞に感情移入させたいっていう想いは正直そんなにないんです。「楽しくて踊りながら泣いちゃう!」みたいな、その場の空気感をより増幅させられる音楽を作っていきたいですね」

インタビュアー : 峯岸利恵

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